(2019年)北海道一人旅|6日目

JOURNEY

(2019年)北海道一人旅|5日目 続き

本日は登別から出発します。

今日は登別を観光…ではなく、「二風谷(にぶたに)」へ向かいます!! 北海道の旅で一番行きたかった所、本命の地です。

見所は「二風谷アイヌ文化博物館」と「萱野茂二風谷アイヌ資料館」。小学校高学年ぐらいからアイヌ文化に漠然とした興味があり、いつか行きたいと思っていた場所が、二風谷なのです。

アクセスがちょっと難しいので(何せ、自分は徒歩・電車・バスしか足がない)、早めに出発します。ちゃんと行って帰ってこれるだろうか?緊張します!


登別から二風谷へ。

昨日滞在していた根室と比べると、こちらは比較的温暖な朝です。

2019年9月撮影|登別駅

まずは「特急すずらん」で苫小牧駅へ。特急は自由席ですが、ガランとしていたので座れました。「北海道フリーパス」最後の指定席1回分は、帰りの分として予約。絶対疲れてると思うので。

苫小牧駅ではしばしの待ち時間。

20019年9月撮影|苫小牧 マンホール

苫小牧駅では日高本線に乗り換えて、鵡川駅まで行きます。鵡川駅からJR代行バスが出ているのでそこからバスで移動です。バスのことばかり考えていたので、苫小牧駅からもうJR代行バスが出てると勘違いしてしまい、駅をウロウロ。駅員さんに聞いて「あぁ、そうだった」と思い出してアセアセ。慣れないもんです。

電車がやってきて、鵡川駅まで乗ってまた乗り換えです。

2019年9月撮影|苫小牧駅

7:54ちょい早めに電車が到着。この時間は、通学途中の地元の高校生がたくさんいます。

全員降りた後に乗ると、降りてくださいというアナウンスが。「あ、そういうかんじなのか」と、ちょっと恥ずかしい。

電車のローカル・ルール的なもの、私の地元にもあるから、それが分からずにウロウロしている人を見ると「観光客かな」とか高校生の時に思っていたものです。最近は逆の立場になっている事が多いですが…。

鵡川駅から富川駅まではバスで。バスの窓からは、畑や田んぼが広がっている景色を見ることができます。今までずっと牧草地を見てきたのですが、ここらへんではお米が作れるのですね。

富川駅。現在使われていません。

2019年9月撮影|富川駅
2019年9月撮影|富川駅

サビサビになった鉄道…。

ここから道南バスに乗ります。

乗客は最は自分一人。後から2、3人乗ってきました。一人は地元の人っぽく、あとは私のような観光客のようでした。


二風谷に到着!
2019年9月撮影|二風谷

ついに着いちゃいました。めちゃくちゃワクワクします!

2019年9月撮影|二風谷
2019年9月撮影|二風谷アイヌ文化博物館

今回の旅で一番行きたかった場所、二風谷アイヌ文化博物館です。

2019年9月撮影|二風谷アイヌ文化博物館
2019年9月撮影|二風谷アイヌ文化博物館

肉眼で「じっ…」と見て、スマホで写真撮って、の繰り返し作業をしていた気がします。だって全部気になる!記憶力ないから全部写真撮ってメモっときたいよ~。

2019年9月撮影|二風谷アイヌ文化博物館 展示品 イタ

この彫り方、「鱗彫り」というそうです。すごく素敵ですね。

2019年9月撮影|二風谷アイヌ文化博物館 展示品 刺繍

特に見たかったアイヌの刺繍。この模様…本当に不思議です。なんて言うのかな、カテゴライズされない独自性みたいなものに惹きつけられちゃいます。

博物館の外には、復元されたアイヌの住居が。ここでは、木彫りや機織りの作業風景を見ることができます。

2019年9月撮影|二風谷

どんな風にあの模様を彫っているのか、その作業を見たくて入ってみました。そこで木彫りをしていたアイヌの方と、まぁ~長々と話し込みました。本当に、長時間滞在しちゃってすみませんというかんじです。

アイヌの血が流れているからこそ、「アイヌ文化」の展示や私のような観光客に対して色々と思うこと、考えていることがあるみたいでした。

話していて私も共感することがたくさんあったり、「日本人」というマジョリティに属している私では、考えたことがなかった事を、考えさせられたり。

二風谷での会話|イタを彫る男性
二風谷での会話|鹿と“気持ちの問題”

さらに、私が大学で油絵を専攻していると伝えると、

「となりで俺のおふくろが刺繍してるんだけど、美大出身で油絵描いてたよ。」

と。同じ畑やないかい。という訳で会いに行ってきました。

二風谷での会話|アイヌの刺繍と共に生きる女性

見た目も心も若々しくて、本当の年齢より若く見えました(実年齢を知ったときはびっくりしました)。学生の頃?にアイヌの模様がカッコいいと思って二風谷へ訪問、そのあと色々あって大学を中退、二風谷に住みついた、らしいです。

本人は「そんなことないよ」と言ってましたが、随分とファンキーな生き方をされてて「かっこいいなァ!」と、私、一気にファンになったのであります。

彼女のアイヌの模様に対しての芸術的・独自の眼差しが、言葉の節々からしっかり感じられて、かっこよかったです。まだまだやりたいこともたくさんあるらしく、とても楽しそうに見えました。就活の話になった時、今の時代に仕事を選ぶなら何がしたいですか?と聞いたとき、

「CGをやりたいね」

と言っていました。かっこよすぎるやろ…!

漠然と、親子揃ってすごい人達だなと思いました。もっとお話がしたかったけれど、うまく自分の考えを話すことができませんでした。

なんでだろう。二人とも明るい方なんですが、きっと今まで色んな苦労やなんやらを経験してきてるんだろうな、というのが、話し方からどことなく伝わってくるからかもしれない。そして、私の話す言葉の一つ一つを理解しようとする姿勢や、言葉を選んで私に語ってくれる姿を目の当たりにすると、適当に喋ったら自分の浅はかな考えを、すぐに見透かされるんだろうな、という気がしたのです。

本人達は、そんなこと考えてないかもしれませんが、難しいですね。うまく言葉にできてないですが、そんなかんじです。


話をしていく中で、私がアイヌの刺繍や彫り物に興味があるとお伝えすると、

「今、“地域おこし協力隊” でそういうことしてる人がいるよ。「ウレシパ」って所に行ったら、その人から詳しいこと聞けるかもよ。」

とのこと。仕事の選考落ちたばっかりで、今後どうしようとか考えてたから、それ…ありかもしれません。もしかしたら私、来年は二風谷に住んでるかも、です。

2019年9月撮影|ウレシパ

というわけで、「ウレシパ」にお邪魔してきました。「ウレシパ」とは、「育て合い」という意味があるそうです。おかげさまで、ここで色々とお話を聞くことができました。

去年、二風谷ではアイヌの伝統工芸品の後継者育成のため、協力隊を募集していました。今年はどうなるのか分かりませんが。現在問い合わせ中とのこと。もし、協力隊になるんだったら、木彫をやりたいですね。アイヌの「イタ」の模様と鱗彫りがかっこよかった、ただそれだけの理由ですが。

ここでも長々と滞在してしまって、気づけば16時に。そろそろバスなんで…と施設をあとにしようとしていたら、「ウレシパ」で刺繍をしていた方から、

「鵡川駅まで送ってくよ。バス代が浮くでしょ?(笑)」と。ほんとに…今日来たばっかの奴になんでこんなに親切にしてくれるのか、不思議です。有難い。

なんかこんなによくしてもらっちゃったら、二風谷リピーターになるしかないでしょ。こんなに良くしてもらわなくても、また木彫りや刺繍を見たいからリピーターになりますけどね。


送って頂いた後、電車を待つホームで「なんだか、今日はファンキーな生き方をしている人にたくさん会った日だなァ」とぼんやり考えていました。

浜中町に行った日の日記で分かると思いますが、私は『ルパン三世』がむっちゃ好きで、キャラクターでは不二子ちゃんが好き。あんな風になりたいな、と思ってます。「あんな風に」というのは、「セクシーで最強のミューズな見た目」という訳ではなく (もちろん見た目が良くなるならそういう風になりたい)、彼女の自分に正直で真っ直ぐな生き方に、毎回心酔しちゃうんです。

きっと、自分はそういう「強い女性」に憧れがあるのだと思います。「しんがある、強くて自由に生きる女性」になりたい。今日は、なんかそんな感じの方々にたくさん会いました。自分は比較的平凡で、そういうチョット破天荒な生き方はきっと向いていないはずなのに、変に憧れを抱いているのだと思います。そう思っちゃうの、ダメですかね?


さて。本日の宿に到着しました。明日、新千歳空港から飛行機で帰るので、今日は札幌にある「UNTAPPED HOSTEL」という所に泊まります。

インダストリアルなかんじのカッコいいゲストハウス。ドミトリーで一泊3,500円です。

2019年9月撮影|UNTAPPED HOSTEL

…ていうか、ちゃんと二風谷から帰ってこられた…。

帰りはご親切により、鵡川駅まで車で送ってくださいましたが、また交通機関を使っていくときのためにメモしとこうと思います。

【旅情報】北海道|二風谷アイヌ文化博物館へ電車とバスで行く方法(2019年9月/日帰り)

1つでもミスすると行って帰れなかったわ…。

明日は、名残惜しいですが関東に帰ります。卒論も卒業製作も待ってますからね…。旅の終わりは現実に引き戻される感ハンパないなぁ…。



〈本日訪れた場所〉
苫小牧市
平取町 二風谷
平取町立二風谷アイヌ文化博物館
平取町アイヌ工芸伝承館ウレシパ

<本日のお宿>
UNTAPPED HOSTEL

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