作品のこと。《あの日々を越えて》

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【展示のお知らせ】Mimori個展 -あの日々を越えて- |ギャラリー羊燈館|2023年5月15日(月)〜5月21日(日)

最後に個展をしたのは、確か大学4年生の卒業間近の頃なので、約3年ぶりの個展になります。

今回の展示では、大学卒業後の社会人になってから描いた作品を展示しようと思っています。絵を描くのが環境的に難しい時期もありましたが、それでもこの3年間で描いてきた作品がいくつかあります。ただ、学生時代の勢いが感じられない作品達なので、発表するまでもないかと思っていました。

しかし、今年になってから色々と心境が変わりまして。せっかく描いたのだから、作品達のためにも展示の機会を設けたいなと思いたち、企画しました。

2020年〜の作品群になるわけですが、あの流行病が世間を脅かしつつあった時期ですね。このブログでも少し書きましたが、あの時期の自分は毎日もがき苦しんていました。そんな日々を乗り越えて、今、私はどこに立っているのか、どこへ向かうのかを、自分に問う展示でもあるわけです。

DMで使った絵のタイトルを、そのまま個展名にしたわけですが、そういう意図があったりもします。

また、あの絵の元になったドローイングがあります。まさに、その時期に描いたドローイング。あの頃は監獄のように狭い部屋に住んでいたので、絵を描くスペースがありませんでした。仕方なく、スケッチブックにすがるようにしてドローイングをして日々を過ごしていたのですが、その一枚になります。

当時住んでいた家の近くの交差点をドローイングしました。夕方、コンビニに食料を買い出しに行く時に見た景色、というより感覚でしょうか。ぼんやりと信号待ちをしていた時、急に自分が透明人間になったような感覚を覚えました。世界に、社会に見放されたような、そういう感じです。体の内側が空洞になっていくような感覚を覚え、色んなことを諦めたくなりました。それで「これを記録しておかなければ」という衝動が起こり、絵として形に残しました。

今年の冬、スケッチブックを整理してそれを見つけたとき、油絵として作品に仕上げたいなぁと思い立ち、作品化を試みました。しかし、あの時の感覚は正直、表すことができませんでした。難しいものです…。構図もそのドローイングを参考にしているし、あの時の感覚も覚えていますが、今の自分の実力では再現できなかった。

むしろ、ちょっと違う絵ができたなと思いました。暗さと明るさを含んだような、過去と未来を含んだような、そんなメッセージ性を絵から感じます。そう思っているのは、自分だけかもしれませんが。