2017年3月、私は宮城県と福島県を一人旅していました。
福島を旅している時、福島に住む知り合いの方から会津をオススメされ、本当は帰る予定だったのですが、せっかくだしちょっと行ってみようかな、と軽い気持ちで行ってみることに。
ただ、この時の私は、自分が今いるのは九州じゃない「北国」だということ、今自分が履いている靴が「穴のあいた普通のスニーカー」だということを、完全に忘れていました。行ったことない未知の場所・会津に行けることが楽しみすぎて、盲目的になっていました。
会津へ向かう列車に飛び乗り、窓の外を眺めているとちらほらと雪が降り出します。
「すごい、さすが雪国。3月だけど雪まだ降るんだ〜」
と、雪に疎い私はのんきに興奮します。
しかし、会津に近づくにつれてだんだん雪深くなっていき、「これはヤバイのでは」と実感し始めます。
会津若松駅に到着し、外をちょっと歩いてみたのだけれど、すぐに足とスニーカーが限界になりそうな予感がして立ち止まります。
どうにかできないかとリュックを漁ると、小さめのコンビニレジ袋を2枚発見（私は一人旅をする時、ご飯はコンビニおにぎりで済ませる事が多かったので、そのレジ袋がいくつかあったわけだ）。
すぐにスニーカーを脱いで、靴下の上からレジ袋を履き(？)、レジ袋の持ち手部分を足首のところで結んで固定し、そのままスニーカーを装着。
スニーカーの上からレジ袋を履いても滑るだろうし、穴があいたどうでもいいスニーカーだったので、スニーカーの方を犠牲にして、靴下と自分の足を守ることに徹したのだった。
歩くたびに、レジ袋のシャカシャカって音が鳴るのは恥ずかしかったけれども。
この状態で「さざえ堂」を見学し、
さらに「大内宿」へ行った。
ちなみに、大内宿って有名な観光地らしいのですが、当時の私は全然知らなかったです。宿のご主人が会津といえばここ！って教えてくれたのを頼りに行ってみただけ。思いのほか、すごい場所にありました。
大内宿の最寄りの駅からバスが出てるのかと思いきや、冬季休業中。そしてタクシーも同じく。じゃァ歩くか、5キロくらいだし、なんとかなるでしょうと、山道を登ります。
ほんと、今思うと危ないのですが。
途中、心優しい地元の人が山道を歩いている自分を見て驚き（そりゃ早朝に女の子が一人で山登ってたらねェ…）、車に乗せて大内宿まで連れて行ってくれました。帰りは別の地元の人が駅まで送り届けてくれるという幸運に恵まれます。
いろいろと、助けられました。
スニーカーも、最後まで無事でした。
なんか、10代の私すごいな、と思う。
若さゆえの危なっかしさとマヌケっぷりもすごいけど（それは今もか）。
今思い返しても、笑ってしまいます。
なんとか無事に帰ることはできましたし。笑える思い出になってくれたし。失敗も大目に見てあげましょう。