十で神童
十五で才子
二十歳過ぎればただの人
アメリカの才能発掘系TVショー(America’s Got Talent:AGT)で歌を歌う子供たちを見て、ふと、確かこんなことわざがあったよなぁ、と思って調べていた。
動画に出てくる子供たちは確かにずば抜けた歌の才能を持っているが、なぜか成長するにつれて、才能が薄れていくように見えてくる。
このことわざは、ご存じの人が多いように「幼少時代は人並外れて優れているように見えても、多くは成長するにつれて平凡な人になってしまうことが多い」という意味。
子供の頃は驚異的な能力のように見えても、大人になるとそれが普通の能力であることが多い。
例えば、小さい子が写実的な絵を描けば「この子は神童や!」となるが、その能力のまま大人になっても別に注目されない。写実的な絵を描く大人の画家はたくさんいるからだ。
AGTの子供たちも同じで、歌がうまい大人はたくさんいるから、そこからさらに「個性」みたいなものがないと、埋もれてしまうような気がする。
しかし、「ただの人」になった人たちは、その後どんな人生を歩むのだろうか、というところが気になる。
そのまま凡人として普通に生きる幸せを知ったのか
また努力して才子になったのか
きっかけがあって天才に舞い戻ったのか
人の数だけすすむ道があるのだから、どれを選び取ってもその人の自由だ。ある意味、「神童」と呼ばれていて「ただの人」になった子たちは、ようやく「神童」以外の色んな道を選択できる自由を手にしたのかもしれんな。
余談だが、AGTで称賛されていたある少女は今、YouTubeチャンネルを持っていて、そこで毎日のように歌を歌っている。これからどんな人生を歩むのだろうかと、その少女のYouTubeチャンネルをたまに見ている。
確かに、才能溢れる人がワンサカいる中だと、AGTに出た時の彼女の「神童」っぷりは見えなくなってきた。しかし、楽しそうに作詞作曲したりする姿を見ていると、今は自分の中に「好き」を溜め込む期間なのかな、と思ったりする。それが溢れ出した時、また彼女は一つ前に進みそうな気がする。