絵の具|「水彩絵の具」とは?「アクリル絵の具」の違い

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[水性の絵の具]は、水を使って絵の具をのばしながら描画することができる絵の具です。

[水性の絵の具]はまた、図画工作や美術の教材としてや絵を嗜む大人まで、幅広い年代層に親しみのある絵の具ではないかと思います。


[水性の絵の具]の種類

絵の具には、まず大きく分けて2つの種類があります。

【絵の具】  
 └[透明の絵の具]
 └[不透明の絵の具]

絵の具|「透明」「不透明」とは?

そして、水性の[透明の絵の具]と[不透明の絵の具]には、主に以下のような絵の具があります。

【透明の絵の具(水性)】
 └ 透明水彩絵の具(ウォーターカラー)
 └ アクリル絵の具

【不透明水彩絵の具(水性)】
 └ 不透明水彩絵の具(ガッシュ)
 └ アクリルガッシュ
 └ ポスターカラー

絵の具|「アクリル絵の具」とは?「アクリルガッシュ」との違い

あめたん
あめたん

あれ、小学校とかで使う
「水彩絵の具」は?

水彩絵の具

日本の小学校で使う学童用の水彩絵の具は、扱いやすいように少し改良された絵の具。

水を少なくして絵の具の量を多くすると不透明になり、反対に水を多くして絵の具の量を少なくすると透明になります。そのため、「透明水彩絵の具」と「不透明水彩絵の具」の中間的な絵の具として、[半透明水彩絵の具]なんて呼ばれることもあります。

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水彩画の歴史


[水性の絵の具]の原料

まず、絵の具の原料は、色を帯びた粉「顔料」とその顔料を画面にくっつける「バインダー(=糊、接着剤、展色剤)」でできています。これの他、「保湿剤」や「防腐剤」が入っています

【絵の具】=[顔料]+[バインダー]

絵の具|「顔料」とは?

そして、絵の具を分類する時は「バインダーに何が使われているか」という点で分類されます。

透明水彩絵の具や不透明水彩絵の具などといった水彩絵の具には、「アラビアガム(アカシア樹脂)」というバインダーが、[アクリルの絵の具]には「アクリル樹脂」がバインダーとして使われています。

【アクリル/アクリルガッシュ】
 =[顔料]+[アクリル樹脂]

【(透明/不透明)水彩絵の具】
 =[顔料]+[アラビアガム (アカシア樹脂)]

【油絵の具】
 =[顔料]+[乾性油]

【日本画/岩絵の具/水干絵の具】
 =[顔料]+[膠|にかわ]

など


アラビアガム

出典:WIKIMEDIA COMMONS|Gomma arabica

アラビアガムは歴史的にも長く使われてきた原料。現在でも、絵の具のほか乳化剤や安定剤として飲料や食品などにも用いられています。

アラビアガムの大きな特徴は、固まっても水に再度溶けること。そのため、チューブ入りタイプのものの他、固形タイプのものも販売されています。

また、チューブ入りの水彩絵の具も、パレットに出しっぱなしにして大丈夫です。乾燥しても、水を加えればすぐに使うことができます。

私が使っているアルミ製焼付塗装のパレット(ホルベイン)。26仕切りある。

主に日本画専攻の美大・芸大受験では、40近く仕切られた(初めて見たとき驚いた…)、大きなパレットに絵の具(主に透明水彩絵の具)を出して臨む人も多いです。

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アクリル樹脂

アクリル樹脂は、石油化学の発達によって誕生した比較的新しい原料です。当初の[アクリルの絵の具]は、アクリル樹脂のほかにも様々な原料を組み合わせたバインダーからできた絵の具でした。

商業用として最初に登場した[アクリルの絵の具]は、「溶剤系アクリル絵の具」として溶剤や油で溶解して使用するものでした。まだちょっと扱いづらそうですね。

1920年ごろから[アクリルの絵の具]の開発が大きく進められ、1955年に水性エマルションタイプの[アクリルの絵の具]が誕生します。水性エマルションタイプの[アクリルの絵の具]は、水で溶解することができますが、乾くと耐水性になるのが特徴です。

「アクリル絵の具」誕生の歴史

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