【ホウエン地方編】ポケモン|タウン・シティ由来&英語版調査!自由すぎる…

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出典:BULBAPEDIA|Hoenn

今回は、2002年11月21日に発売された、ゲーム『ポケットモンスター ルビー』『ポケットモンスター サファイア』(以下:RS)から。

出典:Pokemon|ポケットモンスター ルビー・サファイア
参考:Nintendo|ポケットモンスター ルビー・サファイア

毎度おなじみ、ポケモンの世界に登場する架空地方はモデルとなった場所がある。例えば、「カントー地方」は現実世界の日本の関東地方がモデルだ。

【カントー地方編】ポケモン|マサラタウン英語版はパレットタウン!名前の由来を調査

そして、「ホウエン地方」のモデルになったのは九州!九州を反時計回りに90度回転させた形をしている。私の故郷は九州の佐賀で、ゲームしている時は「佐賀はここらへんかも!」とか、想像しながら旅ができる気分になることができたのは、幼い頃の楽しい思い出である。

火山灰がふったり、温泉があったり、砂漠があったり、豪雨地帯があったり…。
「ホウエン地方」の「ホウエン」は「豊縁」が由来となっているように、「豊かな自然」がゲームの世界観となっており、また、より地域色が出てきたシリーズのようにも思う。


さて。
前シリーズの「カントー地方」「ジョウト地方」のタウン・シティ名は、日本の伝統的な和色の名前をもとに名付けられているモノがほとんどだった。

【ジョウト地方編】ポケモン|タウン・シティの由来&英語版調査!ちょっとアレンジがかってきた?

今回の「ホウエン地方」のタウン・シティ名は前シリーズと比べると、さらに自由度の高い名付け方をしている…。もはや日本の和色名は関係ないモノが大半?


ミシロタウン|Littlerrot Town

「ミシロタウン」はゲームの始まり、主人公の故郷である。現実世界の位置的に、佐賀の唐津あたりだろうか。

カタカナで「ミシロ」だけだと分からないが、中国語版で「ミシロタウン」は「未白」となっているため、もしかしたら「白」をイメージしているのかもしれない。


英語版は「Littleroot Town|リトルルートタウン」である。

【Littleroot】
 └ little:小さい
 └ root:根

を組み合わせた造語のようだ。


コトキタウン|Oldale Town

コトキタウンの位置的には、現実世界の佐賀市あたりだろうか。


【コトキ】
 └ ① 鴇色|ときいろ(=トキの風切羽の色。淡いピンク色)
 └ ②「古」と「時」を合わせた言葉

が由来ではないか思われる。

鴇色とは、「トキ」の風切羽の色に由来した淡いピンク色のこと。「コトキタウン」の他言語版はピンクを意味する言葉が入っているものが多かったため、鴇色はあながち由来に関係しているかもしれない。

トキ

英語版は「Oldale Town|オールデールタウン」である。

【Oldale】
 └ old:古い
 └ dale:谷

が組み合わさった造語のようだ。


トウカシティ|Petalburg City

ゲーム内は、橙色の屋根で統一された民家が見られる。ちなみに、ゲームの主人公の父親はこの街のジムリーダーである。


【トウカ】
 └ ① 花:だいだいいろの花
 └ ② 頭花:花の上の方

が由来ではないかと考えられる。


英語版は「Petalburg City|ペタルバークシティ」である。

【Petalburg】
 └ petal:花びら
 └ burg:接尾詞|〜城

を組み合わせた造語のようだ。


カナズミシティ|Rustboro City

現実世界の位置的に、九州の都会・福岡にあたりそうだ。ゲーム内は、建築物は石でデザインされたユニークな都市になっており、なんだか古い感じが漂っている。


【カナズミ】
 └ 金属
 └ 墨

を組み合わせたのではないかと考えられている。


英語版は「Rustboro City|ラストブロシティ」である。

【Rustboro】
 └ rust:さび
 └ borough:自治区

を組み合わせた造語のようだ。


ムロタウン|Dewford Town

「ムロタウン」は離れ小島だ。ゲームでは「ハギろうじん」の船で向かう。


【ムロ】
 └ ①「室|むろ」「榁|むろ(植物のネズの別称)」
 └ ②「武」と「露」を組み合わせた言葉?

これらが由来ではないかと思われる。

また、「榁」は植物「ネズ 」の古称である。古くはそのトゲをネズミ除けに使っていた。そのため、「ネズミサシ」という、ちょっとそのまんますぎて怖い別名もある。「ネズミサシ」が短くなって「ネズ」になったのだとか。

ネズ

英語版は「Dewford Town|デューフォードタウン」である。

【Dewford】
 └ dew:露、しずく
 └ ford:浅瀬、洗い越し(=川を渡る)

を組み合わせた造語のようだ。


カイナシティ|Slateport City

「カイナシティ」は港町。「クスノキぞうせんじょう」という造船場もある。個人的に、長崎の佐世保を思い出す場所だ。佐世保は軍港としても知られている。そして佐世保バーガーは美味しい。

2019年12月撮影|佐世保バーガー

【カイナ】
 └ ① 腕|かいな
 └ ② 灰|かい(灰色から?)
 └ ③ 海

いずれにしても、「港町」「軍港」をイメージして付けられたのだろう。


英語版は「Slateport City|スレイトポートシティ」である。

【Slateport】
 └ slate:粘板岩|ねんばんがん
 └ port:港

を組み合わせた造語のようだ。色料としての「slate|スレイト」は灰色だが、含有物によっては緑色や紫色に見えるものもあるのだとか。

粘板岩(Slate)

キンセツシティ|Mauville City

ゲーム内は、紫色の屋根で統一された民家が見られる。


「キンセツシティ」の「キン」は、「菫色」の「菫|きん」が由来ではないかと思われる。菫色は、「菫色|すみれいろ」のことである。

スミレ

英語版は「Mauville City|モーヴィレシティ」である。

【Mauville】
 └ mauve:モーブ(藤色)
 └ ville:接尾辞|~街

を組み合わせた造語のようだ。

モーブとは、19世紀頃に誕生した世界初の人工染料である。ちなみに、モーブという名前は淡い紫色の「mallow|マロウ」の花にちなんでつけられた。

絵の具|「染料」とは?

マロウ

シダケタウン|Verdanturf Town

ゲーム内では、草が他の場所よりも少し長く生えており草原みたいになっている。


【シダケ】
 └ ①「芝」と「岳」
 └ ②「椎茸」または「竹」

これらが由来ではないかと思われる。


英語版は「Verdanturf Town|ヴァーダントゥルフタウン」である。

【Verdanturf】
 └ verdant:緑、緑豊かな
 └ turf:芝

を組み合わせた造語だと思われる。


ハジツゲタウン|Fallarbor Town

ゲーム内の民家の色は、赤みのある黄色で統一されている。


【ハジツゲ】
 └ ① 櫨色|はじいろ
 └ ② 黄楊|つげ

を合わせた言葉が由来ではないかと思われる。

櫨色とは、ハゼノキからの煎汁で染料にして染めた、茶色っぽくくすんだ黄色のこと。平安時代から使われてきた伝統ある色である。

ハゼノキ

また、黄楊は庭木とか垣根の木でよく植えられる植物「ツゲ」のことである。

ツゲ

ハゼノキもツゲも、主に西日本の暖かい地域に分布している。


英語版は「Fallarbor Town|フォールアーバータウン」である。

【Fallarbo】
 └ fall:秋
 └ arbor:ラテン語の「arbor」に由来する木に関する語。
     「arboreal:樹木の」「arborist:樹医」など

を組み合わせた造語のようだ。


フエンタウン|Lavaridge Town


【フエン】
 └「釜|ふ」
 └「炎|えん」

が組み合わさった言葉が由来ではないかと思われる。


英語版は「Lavaridge Town|ラーヴァリッジタウン」である。

【Lavaridge】
 └ lava:溶岩
 └ ridge:尾根

が組み合わさった造語のようです。


ヒマワキシティ|Fortree City

「ヒマワキシティ」は、木の上に家がある設定。秘密基地みたいでワクワクする町だ。


【ヒマワキ】
 └ 鶸色|ひわいろ
 └ 槇|マキ

を組み合わせた言葉が由来ではないかと思われる。

鶸色とは、「マヒワ」の鳥の体毛のようにちょっと黄色っぽい黄緑色をしている。

マヒワ(メス)

槇はおそらく植物の「イヌマキ(他にも色んな呼び方がある)」の別名だと思われる。イヌマキは、四国・九州・沖縄・台湾など、比較的暖かい地域に分布している。

イヌマキ

英語版は「Fortree City|フォーツリーシティ」である。

【Fortree】
 └ fort:砦
 └ tree:木

が組み合わさった造語のようだ。


ミナモシティ|Lilycove City

陸の最果ての地、海の始まりの町。


【ミナモ】
 └ ① 水面|みなも
 └ ② 水藻|みなも

ここら辺が由来ではないかと考えられる。


英語版は「Lilycove City(リリーコーヴシティ)」である。

【Lilycove】
 └ lily:睡蓮
 └ cove:入り江

が組み合わさった造語のようだ。


トクサネシティ|Mossdeep City

「トクサネシティ」は「種子島宇宙センター」がある種子島がモデルだ。「トクサネシティ」にも「トクサネ宇宙センター」がある。


【トクサネ】
 └ 木賊色|とくさいろ
 └ 高嶺|たかね

を組み合わせた言葉が由来ではないかと思われる。

木賊色とは、植物の「トクサ」の茎の部分のような暗い緑色をしている。

トクサ

英語版は「Mossdeep City|モスディープシティ」である。

【Mossdeep】
 └ moss:苔
 └ deep:深い

が組み合わさった造語のようだ。「トクサネシティ」が苔深い島なのか、この島の周囲に「ダイビング」できる深い海があるからか…。


ルネシティ|Sootopoils City

「ルネシティ」で流れる音楽が好きな人も多いのでは?白い岩に囲まれ、隠されたような神秘的な町は、ギリシャにある地中海の国々を思い起こさせる。


【ルネ】
 └ ① 流|る
 └ ② 瑠璃色
 └ ③ 涅|ね(=染める、黒く染める、水底の黒土)

これら組み合わせた言葉が由来ではないかと思われる。

②瑠璃色は、中国語版「ルネシティ」が「琉璃」で瑠璃色の「璃」が入っていたため、候補に入れてみた。


英語版は「Sootopolis City|スートポリスシティ」である。

【Sootopolis】
 └ soot:すす
 └ polis:ポリス(都市国家)

を合わせた造語のようだ。


キナギタウン|Pacifidlog Town

「キナギタウン」は、珊瑚礁と桟橋で作られた、海に浮かぶ町。東南アジア的な、島国を思い起こさせる。


【キナギ】
 └「黄」または「金」(他言語版で「黄」を表す言葉が含まれている)
 └「凪|なぎ」

の組み合わせではないかと思われる。


英語版は「Pacifidlog Town|パシフィードログタウン」である。

【Pacifidlog】
 └ Pacific Ocean:太平洋
 └ 「gold:金 」と「log:丸太」を変化させたもの

を組み合わせた造語ではないかと思われる。


まとめ

今回のタウン・シティ名調査は、規則性も特になく、自由に考えられていたため、予想するのが難しかったのが正直な話。

ただ、「ホウエン地方」が「自然豊かな地方」「南の方にある場所」ということで、暖かい地方に分布する植物の名前が使われていたり、石や木の別名など、自然の中にあるモチーフを使っているかも?ということが推測された。

ちなみに今回調べていて印象に残ったことは、「えんとつやま」(現実世界の阿蘇山にあたる山)が「Mt. Chimney」だったこと。そのまんま!


次は「シンオウ地方」について調査していきたいと思います!

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