「また来ます」

JOURNEY

学生時代の一人旅を思い返すと、基本的に人と交流することは求めておらず、風景を見ることが目的だったように思う。そのため、一人の時間がただ黙々と、旅の最終日まで続く感じがした。

しかし、まれにご縁があって人としゃべる時がある。その人に別れを言う時、私は決まって「また来ます」と言う。

でも、「また来ます」と言った場所に、私はまだ全然行けていない。

一緒にコーヒーを飲んだおばあさん
駅まで車で乗せていってくれたお姉さん
町を案内してくれたおじさん

みんな、一度きりの出会いのまま。

皆さん、今も変わりないだろうか。

私の口から発した「また来ます」という言葉は、本当に「また来たい」と思って言ったはずの言葉なのに、なかなかできていないのがもどかしい。

「また会いたい」「また行きたい」と思える人や場所と出会ったことは、確かに、大切な思い出として私の中に残っている。と同時に、私は「新しい場所」へ行きたい気持ちも強いのだろう。「新しい場所」「行ったことがない場所」を旅したい。まだまだ私は、未知の場所を知りたがる子供なのかなァと思った。

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました