先日、地元の子供達を招いてのワークショップがありました。私たちのグループは「紙版画」のワークショップを行うことに。
紙版画はケント紙のような厚紙を重ねることで、凹凸を出します。
その版の上に水彩絵の具をのばして、和紙に刷る。
版の凹凸に絵の具がのったりのらなかったりすることで、面白い表現が生まれます。
道具は全部100均で集めることができるので、とてもお手軽にできる工作だと思います。
子供達に短時間で紙版画を教えるのは難しいかと思いましたが、みんなすぐに理解できていました。やっぱり子供って、スポンジみたいだなぁ、すぐに吸収するんだなァ。
これなら大丈夫そうだと思っていたのですが、子供達が聞いてくる質問に違和感を感じ始めました。
「これで合っていますか?」
まるで確実な正解を求めるような言葉。
何度も頻繁に聞いてきます。
このワークショップに参加したのは、近くの小学校の子達で、研究者が多く住まうこの市の子供達は、おそらく「頭がいい、イイ子ちゃん」なんだと思います。身なりとか、言葉遣いもしっかりしてて「わぁお…」と最初びっくりしたぐらいに(笑)。
そんなかんじの子達だからこそ、確実な答えが欲しいのかな?なんて思いました。
もちろん、中にはお手本作品なんて参考程度にして、グイグイと版を作っていく子もいましたけどね。
「合っていますか?」と言われて
「さあ?刷ってみないと分からないからね~」とたぶらかす私。
版画は、版はイイカンジにできたとしても、紙に刷ってみないと最終的にどうなるか分からない。「版」と「完成作品」の距離は、近くて遠いのです。
でも、予想し、想像し、創造する事はできます。
たくさん考えながら版を作り、刷ってみて想像通りだと嬉しくなり、予想を越えた偶然の表現が生まれると、その偶然性に驚かされる。
それこそ、モノづくりの醍醐味じゃないかな。
答えが合ってると安心できるし、安心だから「楽しい」っていうのも分かるけど、答えがないのも「楽しい」と思うんだけどなァ、なんて思った週末でした。
このワークショップを通じて、答えなき楽しさを少しでも体感してくれたらと思います。