佐賀|NYから佐賀に帰ってきた「肥前狛犬」

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佐賀 x 狛犬を語るなら「肥前狛犬ひぜんこまいぬ」は欠かせない。

肥前狛犬とはその名の通り、佐賀県(と福岡・長崎・熊本の一部)でしかみられない独特な狛犬のことだ。

これらの狛犬は、桃山時代・江戸時代に地元の石工集団によって、地元産出の安山岩で制作された。普通の狛犬と違って、フォルムや顔立ち、四肢と胴部の間をくりぬかないのが大きな特徴だ。大きさも、約30cm程度・重さ約15キロと、比較的小さいものが多い。

原始的な大胆さと素朴さを持ち合わせているのが魅力的である。

なんというかすごく土着的(好き)。

しかし、そのもの珍しさと、小柄なものが多いということで心ない人が勝手に持ち去って転売したりと、盗難が後を絶たない。その土地の人々も(若い人は地元の肥前狛犬の事知ってる人少ないと思うけど、少なくとも私は)悲しい。


太平洋を渡った肥前狛犬

2016年、転売を経て米ニューヨークのギャラリーに出展された後、佐賀県内に返還された狛犬がいた。

出典:産経ニュース|2016.8.4 07:07|佐賀で盗難の「肥前狛犬」NYから帰国 「無事に戻り奇跡」

ニューヨークのギャラリーでは「HIZEN KOMAINU(肥前狛犬)」の出品名でギャラリーに飾られ、1800ドル(約18万円)で販売されていたらしい。盗難品であることをギャラリーに連絡すると、盗難品だとは知らなかったギャラリーは、返還を了承。奇跡的に、離れ離れになった阿吽の狛犬は、生まれ故郷の佐賀で対面できた。


狛犬の本来の姿が見られる日が来ることを願って

地方の神社では無人で神主などがいないことが多いため、小さな肥前狛犬たちに監視が行き届きにくいことも事実。

時々、盗難防止のために檻の中に入れられた狛犬を見ることがある。しかし、神社や祠の周りの風景と一緒に溶け込んで「そこにいる」ほうが、本来の姿なんだろうな、と思う。

photo by みもり(2020年)

多久市郷土資料館前館長さんは

「六地蔵塔や狛犬といった石造物は、寄進した人々によってあがめられてきた。鑑賞したい人はその場所に足を運ぶべきで、個人所有は本来の姿ではない」

参考:西日本新聞「つがい」肥前狛犬再会へ 明大購入の「阿形」と多久市の「吽形」 持ち去り、転売?で離れ離れ

と話している。

盗難する人は、きっとお金の事・自分の事しか考えていないから、その石像がその土地からなくなる事がどういう事なのか、想像できないのかもしれない。私は力無き一般人だけが、好きなものを守るためにも少しずつ知識や人格を身につけて、ちゃんとした良識を持った人に情報が届くよう、作品や言葉で発信していきたいと感じた。

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