真面目になりたいけど、真面目になれない人もいる

私のコンプレックスは「真面目」「素朴」「純粋」なところだ。

特に「真面目」な部分。

絵を描いている人間が「真面目」だとなんか…芸術家っぽくない、と謎のステレオタイプに思い悩んだ時期があり、「真面目」じゃない人間になろうと「真面目」に取り組んでいた(笑)

酸いも甘いも知り尽くしたような洗練された人が隣にいると、「素朴」で「純粋」な子供っぽい自分が、田舎者で世間知らずの馬鹿に見えてきて、けっこうしんどい。

10代後半までは無邪気な子供のように、思ったことをすぐ口にするような子だった(今も)。しかし、色んな場所から人が集まる大学で、それは止めようと思った。「なんでも思ったこと口に出るよね」と、笑われたのがきっかけだ。今までだったらヘラっと流していたのだが、その時期はなぜか本気の劣等感に苛まれていたみたい。

だから、例えば心から「すごい!キレイ!ステキ!」と感動したとしても、捻くれた見方をしてその感動を奥に押しやって、「真面目」に大人のふりをしていた(そういうことが大人だと思っていた)。

今まで何者かになろうと「真面目」に取り組むことが多かった。こうなるともう「愚直」である。

どう頑張っても「私は独創性のない公務員家系の血筋か…」とかどうとか、つい最近まで思っていたが、真面目になりたいけど真面目になれない人もいるのだということに気づいた。

真面目だからコツコツ何かを長く続けることができるし、そのおかげか分からんが、今も絵を描き続けている。

もともと勉強は苦手だったが、「こりゃいかん」と真面目な性格のおかげで宿題以外のこともやって、クラスのみんなに勉強が追いついた後は、少しずつ学校の授業がわかるようになった。そうやって「学ぶ楽しさ」が分かった。だからそれ以来、成績の面では「落ちこぼれ」とは無縁だった。

勝手に(と言っちゃなんだが)周りが真面目な人だと見てくれることが多く、信頼してくれる人もいる(もちろんそういう人に対して、私もちゃんと真面目に相手を信頼するようにしている)。

こういうことが、できるようになりたいと思っている人も、もしかしたらいるかもしれないのだ。

「真面目な自分がいやな人」と「真面目になりたいけどなれない人」。お互い「ないものねだり」をしているだけ。

そういうことが分かってから、昔の自分と比べて今は、「真面目な自分」が、まだマシに見えてくる。これは私の個性だとも思う。この個性も生かしつつ、独創的な絵を描いていきたいなと思っている。

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