「描く絵」と「書く文」

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学生の頃の話。
なんとなく、ファインアート系の間だけで通じるている「感覚」みたいなものがありました。

その中でよく覚えているのは、文章から感じられるイメージの話。

作文(感想文?)を交換し合って、文章を読み合い、感想を発表する授業がありました。同じグループになったのは、奇跡的に油絵を学ぶ同期ら。おかげで、その時は気楽に授業を受けることができていました。

文章を交換し読み終わったあと、なんだか同じテーマで書いているのに、みんなの文章の雰囲気が違うのが面白いね、内容が違うのはあたりまえだけど、文章から伝わってくるものが違うね、みたいな話になりました。

「○○のはなんか『ひだまり』って感じがする!」
「わかる〜、○○っぽい〜!」

「□□の文章はなんか『クレヨン』って感じ〜」
「何それ〜子供っぽいってこと〜?」
「ごめん、すごい分かるわ(笑)」

「△△の文章はなんだか、『湖畔』って感じがする。森の奥にある静かな湖みたい」
「うわ〜、分かる〜!てかさ、△△の絵もそんな感じよね」

言葉より絵で表現するのが得意な私たちらしく、共感と感覚だけで、いつものように話が盛り上がります。それとも、女子特有の会話なのかな?

その文章を書いた人に対して、みんなが同じような感覚を抱いているのは、なかなか面白い。また、その人が「描く絵」と「書く文」が、どこか似ているのも不思議でした。

ちなみに、私の文章は「草原」だと言われました。

分かる分かる、と連呼する彼女たち曰く、私の文章は「颯爽としている」「風を感じる」らしく、だから「草原」なのだとか。

果たして、このブログを読んでくれてているそこのあなたが、私の文章が「草原」のように感じているか、はたまた「草原」意外にどういうイメージを抱いているのかは知らないけれども。

また、この「感覚」はこれまた不思議なことに、大学の他学部の人に話しみると、意外と理解されないことも多かった。「ちょっと分かんない感覚だなぁ」と。

いずれにしても、同じ「日本語」という言語のツールを使っているのに、このような違いが生まれるのは不思議です。使っている言葉、言い回し、例え、調子、もしかするとその人が書く文字・字体も関係しているかもしれません。

日本語を20年近く使っていますが、まだまだ奥が深いんだなァと感じた日でした。

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