一人旅 北海道から帰ってきて…

9月の上旬に北海道を一週間、旅してきました。

北海道旅行の最終日は札幌にいたのですが、今まで見たことがなかった、北海道の雄大な景色を見すぎたためか、それとも疲弊していたからか、今さら札幌を観光する気力がおきませんでした。またの機会に。

チェックアウトぎりぎりまで宿にいて、のんびり空港に向かいました。

◇◇◇

夜の飛行機で関東に到着。台風が近づいているため、ムシムシした空気を感じました。

ギリギリ台風が来る前に帰れたので奇跡だなぁと思います。だって、移動費を安く済ませたくて、この飛行機のチケット取ったのは半年前だから、そんなこと予想できなかった。

北海道が旅の間ずっと晴れていてくれたのも、奇跡だ…。特に雨女の私にとっては奇跡だ…。

空港からさらに電車で家の最寄り駅まで、そして家に着いたのは夜の9時頃。

アパートの入り口で、死にかけている蝉が地面の上で這いずり回って最後の命の灯火を燃やしている横を、「ぎゃあぁぁ!き、キモい…!」と蝉に対して失礼な言葉を心の中で吐きながら、急いでその場を通りすぎました。

ちょっと落ち着いてから、「あ、もう夏終わるのか。」と思い返しました。

バイトに行くと、私が一週間いない間に二人がバイトを辞めたみたいでした。そして、店内が秋仕様に模様替えしてありました。しまいには、レジの横に「おせち」のカタログが置かれていました。

旅をした後に毎回不思議に思うのですが、あんなに非日常を味わってきたのに、すんなりといつもの日常に戻ってバイトをしたり、学校に行く自分がいます。

今回のように長めの旅だと、後半あたりで「日常」に帰りたがっている自分がいます。

やっぱり、自分にとって「非日常」な日々というのは新鮮であると同時に、毎回感動してしまってその感動に疲れてきたのかもしれません。

でも、もしそこに住んでいたら、その景色などが「日常」化するので、新鮮さや感動は薄れるかもしれませんが。

「日常」と「非日常」が逆転する時もあると思います。私はそれを大学進学と帰省で体験済みです。

何もない地元が嫌で、そこで自分が完結してしまうことが嫌で、地元脱出をはかり、地元から遠く離れた関東圏の大学に進学しました。大学に進学するため、故郷を離れ、新しい土地で生活し始めた時は、周りのすべてが新鮮であると同時に、慣れない環境に疲れてきます。

でも、だんだんとその土地に染まり始め、「非日常」だった大学生活が「日常」になります。

夏休みに佐賀に帰省した時、18年間過ごしたはずの地元がとても新鮮な風景に見えました。「あれ?こんなに魅力的な土地だったっけ?」

「日常」だった風景が「非日常」になった瞬間でした。いや、まだ日常なのかもしれませんが、今まで見えなかったものが見えてきたり、気づかなかった、興味なかったことに関心を寄せたりしたため、同じ風景だけど違う風景に見えたのだと思います。

「どうして今ごろそんなことに気づくのだろう」と、その時は不思議でした。地元以外の場所に住んだことなかったですし、引っ越しや転校も今までしたことがないので、仕方ないのかもしれませんが。

「日常」の中にいるときはあんなに感動すること、新鮮さを味わうことを渇望して「非日常」に行きたがっていたのに、それを味わい尽くすと「日常」に戻りたがる。

なんだか「ハレ」と「ケ」を思い出します。日本のお祭りみたい。日常の中のアクセントとして、なんでもない日を色鮮やかにしてくれる存在です。

私はそれが「旅」というツールによって体感することが多いですが、人によっては旅以外の人もいると思います。

そして、生きていく上で絶対必要なツールなんだろうな。

「日常」と「非日常」のバランスがうまく保たれているから、人生の大半を過ごす「日常」を健康的に生きることができるのだろうなと思いました。

だから、有給休暇はちゃんと申請しようと思いました笑

そして、北海道めっちゃいいところです。

九州民の憧れの地とはよく言ったものだと思ってましだが、実際に行ってみて「いや~、本当にそうだわ」と身をもって体感・納得しました。また来年頃に行こうと思います。

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