妹との電話

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台風19号。
無事に通過してくれるよう祈るばかりです。

そんな中、心配してくれた九州の実家にいる母から、電話がかかってきた。

窓の補強して、食料もあって、今のところインフラ面も大丈夫だよー、と一通り報告。
電話を切ろうかなとした時、ふと、現在進行で推薦入試の準備をしている妹の事を思い出す。

妹の様子を知りたいから、電話代わってほしいと母にお願いして、妹と少し近況報告を兼ねて、お喋りをしました。



「昨日、先生にひどく叱られた。」

と、ぼやく妹。理由を聞くと「推薦入試の事で面談した時、将来の夢とかをうまく答えられなくて、「(推薦受ける生徒の中で)一番本気じゃない。推薦で楽しようて思ってるやろ」って言われた」らしい。

なるほど。
推薦入試で楽しようと思っているワケない事は、妹を見ているとよく分かるが、まぁ、先生が言っていることも少し正しいかな、と姉は思う。

推薦入試では面接があるのだが、その時に自分をアピールする相手は「大学の先生」という初対面の人。自分の事を全く知らない人に、自分の事を詳しく説明できなかったら、何も伝わらないでそれで終わり。具体的に言えなかったら、私も「本気じゃないのかな?」と思う。

「私」と「妹」という家族間だから「妹はネコが好きで、こういうことに興味がある人で…」と、詳細な説明がなくとも、相手がどんな人なのか伝わるし、というか既に分かっている部分も多い。

面接対策、具体的なビジョン。そこはすぐに対策すべき所かも。

思うに、過去の事というのは経験したことを話すため比較的「語りやすい」話題だと思います。妹が「先生に叱られた」ことをつらつらと語る事ができたように。反対に、未来の事は「語りにくい」話題のような気がします。だって、まだ経験していないから。だから、まずはそのことを話すための「材料」を探したり、「原稿」となる文章を作ることが必要じゃない?と話しました。



「推薦で楽しようと思っている」…
確かに、楽に受かると言われている大学もあるみたいだが、彼女が受けようとしている大学は、そんな簡単にはいかないだろう。

事実、彼女は身をもって推薦入試の大変さを味わっています。

というか、進学に限らず、閉鎖的な場所から外へ出ることって、本当に大変だ。違う環境に行くことって、そんなに簡単にできることじゃない。

当時18歳の私もガムシャラになりながら田舎から出ようとしていて、と同時に周りにすごく恵まれていて。「苦労」は、それ同等以上の苦労をした人や、自分にしか分からないすごくプライベートなものだから、共感しにくいかもしれないけれど、私も推薦入試で大学入学したので、妹のその「大変さ」に少しくらいは共感・想像できているんじゃないかなァと思います。

また、「推薦で楽しようとしている」と、私も言われた事があるため、言われた時のショックも分かります。でも、自分が今すご〜く頑張っている事が分かっていたから、その言葉に自分が揺らぐことはあまりなかったように思います。

というか、そんな言葉にいちいち反応しているヒマなんてなくて、そんな事に体力使っている場合じゃァないくらいピリピリしていたように思います。ある意味「自分」しか見えていないんだけど、「今やるべきこと」が見えていたら、他人と比べることはしないのかも。

やっぱり、やるのは結局のところ自分だから、自分と比べないと意味がないですね。

突き放すような言い方ですが、私がいくら妹の受験対策をしてあげたって、本番で結果を出してこなきゃいけないのは妹自身であり、私は助けてあげる事はできないのです。



…とまぁ、そんな偉そうな事を自分に話しかけるように、妹に話しました。

私も、いつも語彙力が足りないというか、何かについて説明することは苦手です。人にうまく話が伝わらなかった時は、悔しくて自分が情けない気持ちになります。
この歳になっても、他人がすごく気になる時があるし、自分よりいい環境で育っている人を見ると、比べてしまってすご〜く僻むこともあります。

でも、気にしているうちは成長できないし、気にするべき人は自分自身で。僻むことに使うその体力は「今やるべきこと」に使って、比べる人はいつも「自分」であるべき、だよね? 妹よ(笑)

推薦入試まで残り一ヶ月ちょっと。
頑張れ〜!

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